心の授業

ある日の国語の時間。
気持ちを表す言葉を挙げてみよう、と玉先生。

登場人物の気持ちを聞かれているのに、〈~されたから〉と事実止まり。
〈~されて腹が立ったから〉とか、気持ちを書くところまで到達しない。
表現の仕方がわからないのかなと思っていましたが、そうではなさそう。
次々と子どもたちの口から言葉が溢れて、ホワイトボード満杯。
そんなに知っているなら使ったらいいのに。

そういえば、以前こんなことを言ってたっけ。
「だってさぁカッコつけてるとか変だとか思われたら嫌じゃん」
小学生も学年が上がるにつれて他人の目が気になり出す。
もっと自由に喜怒哀楽を表せたらいいのに。

さて、中学によっては第一志望入試を実施している学校があります。
第一希望の学校であれば、当然、受験する。
試験も発表も年内にあるので、合格すれば受験は終了です。
クリスマスやお正月を心置きなく楽しめる。
受験勉強から解放されるわけです。

少し前の話になりますが、ある学校の第一志望入試に合格した子がいました。
教室ではクールな表情。
本当は思いっきり喜びたいのに、受験を控えた子たちの手前、そうもいかない。
「よかったね」
「うん」
子どもたちのやり取りは、ひかえめです。
おめでたいことなのに、何だかギクシャクした雰囲気。
本音でぶつかったら?
よそよそしくする間柄でもないでしょう?
長いこと一緒に勉強してきた仲間。
塾長も『KJファミリー』って、よく言ってるよ。
相手を気遣うのと同じように、自分の気持ちも大事です。
「うらやましい」
一人の子が口火を切ると、みんなの本音が爆発。
「いいなぁ」「いいなぁ」「いいなぁ」
そして、自然に沸き起こる拍手。
「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」
「ありがとう」
合格した子の満面の笑みを、今でも鮮明に覚えています。

来週から冬期講習。
4・5年生は進級準備、6年生は入試直前です。
みんなで努力していこう。

~R~
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